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東京家庭裁判所八王子支部 昭和54年(少)4087号 決定 1979年9月21日

主文

少年を中等少年院に送致する。

理由

(一)  非行事実

別紙のとおり。

(二)  上記事実に適用すべき法令

刑法六〇条、同法一七八条

(三)  主文掲記の保護処分に付する理由

当庁調査官○○○○作成の少年調査票、鑑別結果通知書、その余の一件記録及び当庁における審判の結果を総合すれば

(1)  本件非行は、少年らが、被害者にシンナーを吸入させて、意識をもうろうとさせたうえ、その状態を利用して敢行したものであり、しかも少年が指導的役割をはたしていること、

(2)  本件非行に至るまでの少年の生活歴をみると、本年三月に高校を中退し、その後自動二輪の免許を取得してオートバイを購入し、暴走族仲間と走行したり、無為待食中の少年らと交際し、シンナーを吸入したりしていたこと、

(3)  父は個人タクシーの運転手をしていて練馬の方に住み、たまに家に帰るだけであり、母はパートとして働きに出ていること、等の事実が認められる。上記認定事実によれば、少年の本件非行は極めて悪質であり生活の乱れも大きく、両親の監護能力に期待することもできない。してみれば、在宅保護の措置で少年を矯正することは、もはや不可能であると認められる。そこで少年に対し心身陶冶の機会を与え、倫理感、規範意識の健全な育成を図るため、その年令等をも考慮し、少年を中等少年院(一般短期処遇)に送致することを相当と認め、少年法二四条一項三号、少年審判規則第三七条一項、少年院法二条を適用して主文のとおり決定する。

少年はA(当時一六歳)、B(当時一六歳)と共謀のうえ、昭和五四年七月三一日午後一時ごろから同七時ごろまでの間、東京都東村山市○○町××丁目××番地所在の○○住宅××号A方六畳間において、C子(当時一五歳)に対し、シンナー類を吸引させ、同女をそれによつて抗拒不能の状態に陥入らせたのち、順次同女を姦淫したものである。

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